手塚治虫展

手塚治虫

江戸東京博物館の特別展「手塚治虫展」。初日はものすごい混雑でしたが、まだまだ始まったばかり。平日を狙って、じっくり見てみましょう。

http://www.edo-tokyo-museum.or.jp/kikaku/page/2009/0418/200904.html

展示は子供の頃の漫画から、家族写真、手塚の成績表などから始まり、人生の時系列に合わせて、作品が展示してあるものと、テーマ別(アトムとか火の鳥とか)に展示してあるものと、かなり広いスペースを取っています。

おもしろかったのは、アメリカのウィンザー・マッケイ作のアニメ「恐竜ガーティ」(1914年)(サイレントアニメ映画)http://www.nicovideo.jp/watch/sm658832
の原画を、手塚がもっていたこと。貴重です。(どうでもいいことですが、ガーティはメスです。本当はどうでも良くないのですが、その話はあとで)。

手塚が子供の頃見て感動した日本製アニメーション「くもとちゅうりっぷ」や「桃太郎 海の神兵」などの紹介もあり、幼少の頃から、まずアニメーションを作りたかったという手塚の意志がわかります。

父親はフランス映画が好きで、よく自宅で見ていたそう。裕福な家庭の恵まれた環境だったのです。

展示品は、特に本邦初公開というものはないのですが、手塚の友人、知人からの思い出の品など、最後のほうに飾ってあるものは、非常におもしろかったです。

展示場を出ると、お土産屋さんにたどり着く前に、手塚の生前のインタビューがあります。(NHKスペシャルか何かの番組で、10数分)。そこで手塚は「生きることのエロティシズム」ということを語っています。

戦争を体験し、死と不条理を目撃した反面、医者として生命を扱う学問をしていた手塚には、つねに「生きること」(死を通じての)とは何かを問われていたのだと思います。

エロティシズムとは、欲動であり、汚いモノ、きれいなモノすべてを含む、人間の営み。いかに生きることにこだわるか。それが、あれだけアニメーションに情熱を燃やした原点なのかもしれません。

MW(ムウ) (1) (小学館文庫)

MW(ムウ) (1) (小学館文庫)

この夏、実写映画化される「MW ムウ」。読んでから、観るか、観てから読むか・・・迷うところです。