p1**[書籍紹介] 占領下の映画――解放と検閲
- 作者: 岩本憲児
- 出版社/メーカー: 森話社
- 発売日: 2009/01
- メディア: 単行本
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「占領下の映画――解放と検閲」 岩本憲児編
戦後日本映画はどう変わったのか。GHQの占領下、民主主義のシャワーをあびつつも、都合の悪いことは検閲というナイフでそぎ落とされていった時代。私たちは何を見、何を見せられなかったのか。
本書の中でアニメに関係する一遍「誰に向けてのアニメーションか」胡智於著 では、戦後のアニメ映画政岡憲三の「桜」と熊川正雄の「魔法のペン」をとりあげています。この二つのアニメを軸に、占領下の日本でアニメーターたちが表現したものは、何か?「桜(春の幻想)」はなぜ長い間お蔵入りになったのか?
戦争前後のアニメ映画は、よく研究対象として取り上げられている。(特に外国人が、それについての論文を多く発表している)。それは、戦時イデオロギーが、如実ににじみ出る媒体であり、植民地政策に、「啓蒙」目的でアニメ映画が使われたことも無縁ではない。
アニメと実写映画と日本の歴史に興味ある方なら、とても楽しめる本だと思う。