2次元から3次元 米国アニメ映画の最前線

「2次元から3次元 米国アニメ映画の最前線」

日米アニメの違いを語るとき、ほぼ確定している差異として、アメリカアニメ映画のコンピューターによるデジタル3D傾向があげられる。ディズニー・ピクサーのヒット作「ファインディング・ニモ」に代表されるような「動物もの」、「ミスターインクレディブル」に代表されるような、「人間もの」など、デフォルメされ、擬人化されたキャラクターが、コンピューターグラフィック(CG)で製作され、独特な世界観が表現されている。

ファインディング・ニモ [DVD]

ファインディング・ニモ [DVD]

[rakuten:posterbin:571038:detail]
しかし、それがデフォルメされない場合、つまり、リアルすぎる場合は、逆にあまりヒットしない。少なくとも日本では。これは、日本のパースペクティブが、二次元の絵に慣れており、リアルなものに対する判断の基準が、次元の問題と底触しないからだと思われる。

かたや、米国では、二次元の絵は、子供向けとして認識され、あまり高く評価されにくい。漫画は別として、二次元のアニメ(いわゆるセル方式)は、リアル感や親近感がわきにくいらしい。

そんな中、米国アニメや映画で採用され始めたのが、「飛び出る映像」だ。

ディズニーランドでは、古くはもうすでにマイケル・ジャクソンの短編宇宙冒険もの「キャプテンEO」で、特殊なメガネをかけると飛び出す映像を実践していたたが、今度は、映画でそれを標準化しようというのだ。

実用的な理由としては、DVDやCS、インターネットの普及で、劇場で映画を見なくなった客を、再び映画館に呼び戻すためだという。つまり、特殊メガネをかけて、飛び出す映画が見られるのは、劇場だけだという売り込みなのだ。

最近では、「ベオウルフ」でその試みがなされたが、残念ながら対応しているスクリーンを持つ映画館が少なく、せっかくの試みも功を奏さなかった。(私も対応の映画館で見なかったので、普通の(若干変な)映像をみるだけだった)。

今度は、飛び出す映像が主流になりそうな米国アニメおよび一部の実写映画。でも、やはり、そのウケ具合は、パースペクティブの差異によるのではないかと思う。日本で大成功おさめるとは思えないのだが、どうなのだろう。しばらく静観したい。