米国オスカー 短編アニメーション部門 加藤久仁生「つみきのいえ」
米国オスカー 短編アニメーション部門 加藤久仁生「つみきのいえ」
昨日、アメリカの祭典である、映画に与えられるオスカー賞の発表が行われ、アニメーション部門では、短編アニメーションで、加藤久仁生氏の「つみきのいえ」が受賞した。
違法だが、You tubeではフランス語字幕で配信されている。
La Maison en Petits Cubes (Pt. 1)
http://www.youtube.com/watch?v=fFcGqQPSpUs&eurl=http://
オフィシャルホームページはこちら
http://kiteretsu.robot.co.jp/kunio/news/news.html
アニメーションフェスティバルでも、数々グランプリを受賞していた作品なので、オスカー受賞は妥当な線だったが、マスコミはあまり彼について報道しなかった。でも、受賞したとたん、一気に短編アニメへの注目が集まったのは皮肉だ。アメリカの映画賞を受賞しただけで、「世界に認められた日本映画」という言説がはびこるのは何故だろう?アメリカが世界なのか?そういえば、アメリカの野球のア・リーグの代表とナ・リーグの代表戦は、アメリカンシリーズでなく、「ワールド」シリーズって呼ばれているっけ。
ぼやきはさておき、「つみきのいえ」。アーティスティックな技法で、洪水が起こったことをきっかけに、水に埋もれたわが家をおじいさんがめぐりながら、過去を回想するという、ノスタルジックな物語。ただの回想ものがたりでなく、洪水が地球温暖化の影響で起こされるものであるようで、それが、一つの問題提起となっている。
子供時代、青年時代、結婚、出産、子供の結婚、孫の誕生、妻との死別・・・誰もが経験するであろう、人生の節目節目をたんたんと描くこの作品。そんな集合的無意識に訴えるいい話も、地球がなくなってしまえば、すべてが水の中に水没してしまうかもしれない。。。そんなメッセージも含まれているのだろう。
ともあれ、一つのきっかけとして、短編アニメーションを観る人が増えたら、オスカー賞の真の意味が生成されるのだ。
- 作者: 平田研也,加藤久仁生
- 出版社/メーカー: 白泉社
- 発売日: 2008/10/01
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