研究ノート 類型化3ーワンピース

「ワンピース」を類型化してみましょう。

ONE PIECE 50 (ジャンプコミックス)

ONE PIECE 50 (ジャンプコミックス)

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人物設定には・・・
1 主人公には両親がいない、もしくは片方の親がいない(孤独なヒーロー) ⇒適合 一応孤独。
2 主人公には、秘密の出自があり、多くの場合、実は王子、実は過去の偉大な業績をあげた人の息子(レジティマシー) ⇒適合?
3 成長=強くなること=男になること (修行) ⇒適合 海賊になる=男になる=成長
4 主人公にしかできない謎の力をもっている(独自性) ⇒適合 力というよりも、性格?絶対のピンチにも対応できる馬鹿性と感性
5 ライバルがいる。単純バカな主人公に対し、冷静沈着なライバル。 ⇒不適合? 固定したライバルはいないかも。
6 夢をもっている(多くの場合は夢の実現=父(大文字の父)を超えること ⇒適合 海賊王になること。
7 主人公とライバルの間に女性がいる⇒不適合 恋愛要素はサブプロットですね。


プロットの構成には・・・
1 サイドストーリーを作りやすい ⇒適合 無限に広がる冒険談。
2 緊張と笑い(コミックリリーフ) ⇒適合 コメディ度高いですね。
3 カタルシスがある ⇒適合 ピンチになっても、やっぱりルフィーは勝ちます。
4 西洋的日本性がある⇒適合 かろうじて、ゾロは日本的?
5 学園性。⇒適合?? 微妙ですが、仲間との交流は学園もの的なところもありますが、基本的には学校がベースではないですね。

「ワンピース』の場合は、少し不適合もありました。これは『敵』の存在の有無で、かなり違うのかもしれません。ナルトとブリーチが格闘モノとすると、ワンピースは冒険モノとなり、別の類型が必要になるのかもしれません。

人気の出る作品には、このような共通要素が存在する。これは集合的無意識という、世界中に似たような冒険譚や神話が存在することで証明されているみながいいなあ、感動するなあと思うような総合的な思考のことです。

裏を返せば、その文法に則って物語を作ると、ヒットするということにもなりますが、現実は必ずヒットするとは限りません。

なぜか?

一つは社会状況です。不況時代は、ミュージカルやコメディなどの明るい作品が選ばれ、好景気には、感動ものの人気がでるなどとよくいわれていますが、ヒット作品となるかどうかは、発表した状況にもよるのです。

これを社会文化的要素と呼んでいますが、その分析はまたのちほど試みたいと思います。