アニメーションって何?
アニメを論じる前に、アニメーションとはそもそもナンだろうか?その定義を考えてみたい。
1.アニメーションとは?
恐らくアニメーションと聞くと、多くの人が、テレビアニメでお馴染みの、2D(二次元/平面)アニメを思い出すだろう。最近はアメリカの「ファインディング・ニモ」や「シュレック」も人気があったので、3D(3次元/立体)アニメも思い描くかもしれない。
確かに、アニメーションと言えば、「絵が動く」のが基本であり、2Dアニメがその大部分をしめている。そして、「アニメ」といえば、概して2Dアニメーションのことを指す。
それでも、アニメーションの定義は実ははっきりせず、2D,3D以外にも様々なアニメーションの形がある。今日は、ごくごく限られた定義とアニメーションのバラエティの紹介をしてみよう。
いわゆる「アニメーション」と呼ばれるものには、次のようなカテゴリーが考えられる。
(*カッコ内の数字は年号)
1.2Dアニメーション・・・TV番組などでおなじみの2次元/平面アニメーション。昔はセルと呼ばれる透明な平面の用紙に、細かい動きを順に描き、それを重ねることによって、動きを作っていたが、最近はデジタル化がすすみ、コンピューターソフトで画面上で特殊なペンやカーソルを動かすだけで、細かいコマができるようになった。技術の発展とアニメーションの効果に関しては、またのちほどご紹介できればと思う。
2.3Dアニメーション・・・CGアニメと言われていたもの。コンピューター上で、キャラクターや背景、色彩などを決定し、コンピューター上で動きを作る。アメリカはこの3Dアニメの映画が主流。例:ピクサー(ディズニー)の『ファインディング・ニモ』(Finding Nemo 2003)、ドリームワークスの『シュレック』(Shrek 2001,2004,2007、シュレック4まで企画中)。
3.パペット(人形)アニメーション・・・人形を少しずつ動かしてコマ取りするアニメーション。日本で最も有名なのはTV『人形劇三国志』(1982)、映画『死者の書』(2005)の川本喜八郎氏。けれども、実は川本氏が留学されたチェコなどの東欧が、パペットアニメを大量に産出している。例:トルンカ(チェコ)、カチャーノフ(『チェブラーシュカ』(1972)で有名)
4.クレイアニメーション・・・ねんど(クレイ)を使ったアニメーション。英国では、「プッチンプリン」のCMにも起用された『ウォレスとグルミット』(1989、93、95、2005)のニック・パーク氏が有名。日本では、NHKで子供たちに人気の『ニャッキ』http://www3.nhk.or.jp/anime/petit/nyakki.html の伊藤有壱氏がいる。
5.切り絵アニメーション・・・紙に書いた様々な絵のパーツを使って、動きをコマ取りして作るアニメーション。手作業ゆえ、一つの作品に何年もかかる。ロシアの『話の話』(1979)で有名なノルシュテイン氏は、現在ゴーゴリ原作『外套』の製作に従事している。高畑勲氏や宮崎駿氏、川本喜八郎氏などと交流があり、よく日本を訪問する。
http://www.comicbox.co.jp/norshtein/
【次号につづく】
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これは、すごい。パペットアニメーションの傑作。原作もすごいが、それを表現した川本さんの魂の叫びが伝わってくるような逸品。