理論

 フェミニスト・テレビ学 その2

テレビ学とフェミニズム 2前回は、T.モドレスキーについて触れました。昼メロは女性視聴者に向けに作られました。当然、視聴者は女性とみなされ、想定された女性の主体(これも難しい言葉ですが、「自分自身の意思をもって動く人の精神」くらいの意味で考え…

 フェミニスト・テレビ学 その1

テレビ学とフェミニズム前回まで、本当にざっと映画理論からテレビ学にいたる流れを追っていきつつ、その違いを少し解説しました。今日は実際、フェミニズムはテレビ学で、どのようなアプローチをしていたのか、を見てみましょう。1960年代初頭(50年代後半…

 フェミニスト映画理論の援用 その4

フェミニスト映画理論からテレビ学へCCCSでのテレビへの取り組みで、初期に見られたのは、ニュースと視聴者の研究だった。ここで重要になってくるのは、ずばり「視聴者」である。視聴者は、英語では「オーディエンス(または複数形audiences)」や「ヴューア…

 フェミニスト映画理論の援用 その3

非常に端折ってきてしまったが、英国のテレビ学は、何の前触れもなく生まれたわけではもちろんない。映画研究者が、テレビも研究するという流れはもちろんあり、また社会学の分野からテレビ研究へという流れももちろんある。ここでは、英国のテレビ学の特徴…

 フェミニスト映画理論の援用 その2

ローラ・マルヴィーが問題にしたのは、映画テキスト内に内包されたスペクテイターであり、実際映画を観ている観客自体を示しているのではない。したがって、後述する実際の観客・視聴者の英訳である、オーディエンスやヴューアーと区別するために、スペクテイ…

 フェミニスト映画理論の援用 その1 

アニメーションをテキストとして、文学的方法をとって分析する仕方は、映画理論でも同様だ。ここでは、まず、フェミニズムの見地から、映画理論からテレビ学への流れをざっと追って行きたい。映画が誕生した瞬間から、被写体としてのモノ、動物、人などのさ…

 アニメーションを研究するには?

アニメーション作品を研究したいけれども、どうやっていいかわからない、という意見をよく聞く。ここでは、大学生、大学院生など、学術的にアニメーションを研究したいという人向きに、方法論をご紹介していきたい。以前にも触れたように、アニメーションを…

 実写とアニメ その接合点

実写映画、アニメ映画というように、あたかも実写とアニメは違うカテゴリーであるかのように、考えられている。けれども、たとえばディズニー映画は、実写で撮影した実際の人の動きをアニメート(動詞animate=動きをつける)したもので、結果的にリアルな俳…

 アニメーションって何?その2

アニメーションのカテゴリー (続き) 6.影絵アニメーション・・・文字通り色セロファンを切って影絵を作り、動きを生み出すアニメーション。大藤信郎の『くじら』(1952)、蝶々夫人の音楽に合わせて、ナラティブを生み出した荒井和五郎『お蝶夫人の幻想…

 アニメーションって何?

アニメを論じる前に、アニメーションとはそもそもナンだろうか?その定義を考えてみたい。1.アニメーションとは? 恐らくアニメーションと聞くと、多くの人が、テレビアニメでお馴染みの、2D(二次元/平面)アニメを思い出すだろう。最近はアメリカの「フ…

 アニメーション学って何?

アニメーション学とは何か?「日本が世界に誇る文化」として、政府がにわか力を入れ始めた、アニメーション(アニメ)。外国へ行くと、よく「日本の大学でアニメの研究をしたいが、どこが一番いいのか?」とよく聞かれる。でも、実は日本のアカデミアでは、ア…