実写とアニメ その接合点

実写映画、アニメ映画というように、あたかも実写とアニメは違うカテゴリーであるかのように、考えられている。けれども、たとえばディズニー映画は、実写で撮影した実際の人の動きをアニメート(動詞animate=動きをつける)したもので、結果的にリアルな俳優が出ているか、いないかの差になってしまう。

実写とアニメを融合させたものだって、早くから実践されている。有名なのは『ロジャーラビット』(1988年)の実写アニメ合成映画など。実写で撮影し、俳優が無人の相手にセリフを語っているが、あとでアニメを合成して、あたかも会話をしているように見せるものだ。

技術が進むと、実写にアニメを張り付けたり、加工したり、その逆も可能となる。そういった「ハイブリッド」が進んでくると、実写とアニメの区分もだいぶわかりにくくなっていく。

クレヨンしんちゃん大人帝国の逆襲』で一躍有名になった、若手アニメ監督湯浅政明さんの作品『マインドゲーム』(2004年)は、その好例だ。

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実写や2D、3Dアニメが効果的に使われている。最近話題になったアメリカ発日本マンガ原作アニメ『鉄コン筋クリート』にも湯浅監督は協力しているようで、彼の描いたハイブリッドアニメは、これから注目していかなければならないだろう。