アニメーションって何?その2

アニメーションのカテゴリー (続き)

6.影絵アニメーション・
・・文字通り色セロファンを切って影絵を作り、動きを生み出すアニメーション。大藤信郎の『くじら』(1952)、蝶々夫人の音楽に合わせて、ナラティブを生み出した荒井和五郎『お蝶夫人の幻想』(1940)などが有名。この題名を見て『エースをねらえ』を思い出した人、ナイスツッコミです。
7.砂絵アニメーション・・砂を使って、顔や風景などを表現するもの。
8.ペーパーアニメーション・・背景、人物、モノなどを一枚一枚全て紙に書いていくもの。セルが発明される前の初期のアニメーション作品はこの方法をとるものが多かった。よく教科書の端に書いて遊んだ「パラパラマンガ」を思い出してみるとわかりやすいだろう。

そのほかにも細かく分けるといろいろ出てくるが、このくらい知っておくと十分かと思われる。

紙を使うのか、セルを使うのか、人形や他のモノを使うのか、その使用する道具、技術によって、複数のカテゴリーにまたがるアニメーションも多い。実写と2D,3Dアニメーションを組み合わせた映画『マインド・ゲーム』(2004)などは、「ハイブリッドアニメーション」と呼ばれ、アニメーション界に新たな旋風を巻き起こしている。

そのほかにも、「アニメーション」と分類されるか実写と分類されるか、微妙な作品もある。実験的作品に多いが、例えば箱をフィルムでコマ取りして、あたかも箱が動いているように見えるもの。映像は実写と呼ばれるものだが、あきらかに「生きていないモノが動く」ので、アニメーションとも呼べる。

では、実写とアニメーションとは、二項対立するカテゴリーなのであろうか?答えは、否である。本来実写とアニメは、兄弟のようなものだと、筆者は考えている。したがって、融合可能だし、侵食可能。

次回は実写とアニメの接合点である作品について考えてみたい。