日本アニメの紹介ースペイン講演

*2007年11月に書いたブログ記事の再掲です。「最新日本アニメの紹介ー陶山恵さんの講演」2007年11月1−4日、スペインで最大のマンガ・アニメファンの祭典「サロン・デル・マンガ」がバルセロナで開かれました。私はそこに初めて行ってみました。大きな会…

 文化庁メディア芸術祭

今年も文化庁主催 メディア芸術祭がおこなわれています。http://plaza.bunka.go.jp/festival/2008/information/symposium/#scheduleアニメ関係の講演では、 2月13日(金) 「マンガとアニメの未来」 講演者: 幾原邦彦、浜野保樹、細萱敦があります。漫画、写…

 2次元から3次元 米国アニメ映画の最前線

「2次元から3次元 米国アニメ映画の最前線」日米アニメの違いを語るとき、ほぼ確定している差異として、アメリカアニメ映画のコンピューターによるデジタル3D傾向があげられる。ディズニー・ピクサーのヒット作「ファインディング・ニモ」に代表されるよう…

 日本アニメにおけるレズビアン・コード

先日のヘレンさんの講演を聴いて、ふと、あることを思い出しました。それは、欧州で日本の少女向けアニメが紹介される時、結構「レズビアンもの」としてカテゴリー化されることが多い事。 例を挙げると、 「キャンディ・キャンディ」(キャンディとアニー) …

 日本のアニメーション (英国講義)2

注:これは2008年10月の報告を再掲したものです。今日は、ヘレン・マッカーシーさんのレクチャーをまとめてみましょう。でも、実に早口で非常に広い範囲と長い歴史を概観したので、全てをまとめる事は難しすぎます。彼女のフォーカスを中心に、まとめることに…

 ファンタジー・フィルム(英国講義)

(注:2007年10月のブログで書いた記事をここに再掲します)「日本のアニメーションとファンタジー映画」という講義をロンドンで聞いてきました。レクチャラーは、クリス・フェルさんと、日本アニメを世界へ紹介したパイオニア的存在、ヘレン・マッカーシーさ…

p1**[書籍紹介] 占領下の映画――解放と検閲

占領下の映画―解放と検閲 (日本映画史叢書)作者: 岩本憲児出版社/メーカー: 森話社発売日: 2009/01メディア: 単行本この商品を含むブログ (3件) を見る[rakuten:book:13116849:detail]「占領下の映画――解放と検閲」 岩本憲児編戦後日本映画はどう変わったの…

 実写映画の中の二次元アニメ

「実写映画の中の二次元アニメ」 以前、アニメーションとは何か、という定義をしたときに、「物が動く」ことが一応のアニメーションの定義だと書いた。今日は、実写とアニメの境界について、思っていることをつづってみよう。 そもそも「人が動く」のか「も…

 マンガは越境する シンポジウム報告3

「マンガは越境する」 シンポジウム報告3「脱歴史」のメディアとしてのマンガと「歴史」 ジェクリーヌ・ベルント(横浜国大)マンガにおいて、戦争やナショナリズムが描かれるのは、珍しいことではないが、この頃注目される「歴史漫画」に対するパネリスト…

 マンガは越境する シンポジウム報告2

「マンガは越境する」シンポジウム 2)ディスカッション 国境を越えるメディアとしてのマンガ 大城房美(筑紫女学園大学)今度は、少女マンガのお話で、これも1970年代を少女マンガスタイルが成立した時期と捉えています。少女というカテゴリーは、それが単…

 マンガは越境する シンポジウム報告

「マンガは越境する」シンポジウム 2009年1月12日京都国際マンガミュージアムアニメではありませんが、アニメと関連深いマンガのシンポジウムに行ってきました。テーマは、国内、国外でマンガというメディアが、さまざまに越境している現状を、どうとらえ、…

劇場版BLEACH 第二弾 もう一つの氷輪丸

劇場版「BLEACH The Diamond Dust Rebellionーもう一つの氷輪丸」第一弾の映画は、主人公の高校生一護と、サブ主人公女子高生センナの物語でした。男性ヒーローが、女性ヒロインを守るという物語は、構造的には王道です。「守る」というのも、アクショ…

 映画 BLEACH 1 MEMORIES OF NOBODY

劇場版 BLEACH 第一弾 MEMORIES OF NOBODY年末年始は、アニメ映画のTV放映が多かったですね。以前見たことのあるこの劇場版BLEACH第一弾も、あらためて見直しました。「BLEACH」というのは、『少年ジャンプ』という雑誌に連載中の久保帯人の漫画です。それを…

 カルチュラル・スタディーズへの招待

明けましておめでとうございます。2009年の幕開けです。非正規雇用の契約年数の削減や、次年度にやってくるアナログ放送の終焉と地上デジタル化など、社会構造や制度改革がどんどんすすんでいく、現在。あとから歴史の教科書に、「変動の世紀」などと書かれ…

 「超銀河伝説」の観客の反応

『サイボーグ009』 作品分析3前回までの作品分析は、ひとつの解釈でありますが、この場合、実際その映画を観る人によって、その捉えかたは様々です。こちらが考えていた分析とまったく違った見方をする場合や、その解釈に新たな解釈を加えてくれる場合な…

 映画「サイボーグ009 超銀河伝説」作品分析

『サイボーグ009』作品分析 2「サイボーグ009 超銀河伝説」という劇場用アニメーション映画は、1980年(東映)に公開されました。当時はまだ原作者の石ノ森氏もご存命で、幼い筆者はそのキャンペーンの一環なのか、わが地元にいらした先生のサイン会…

 「サイボーグ009」作品分析

『サイボーグ009』作品分析 1石森章太郎(=石ノ森章太郎)の同名漫画が原作の、アニメーション『サイボーグ009』は、1966,67年に映画化されたのち、68年には初のテレビアニメシリーズとなって登場しました。のち、79年にTV化、80年に映画化、そして…

 映画のことはじめー鏡の中の映画館 【予告】

昔々、ぱらぱら漫画の要領で、止まった絵を動くように見せたアニメーションの装置が開発されました。アニメーションの原点に戻って、アニメや映画の世界で遊びましょう!映画のことはじめー鏡の中の映画館 12月21日(日) 表参道・ヤマナシヘムスロイド 参加…

 ローゼンメイデン その2

「ローゼンメイデン」その2第二期「ローゼンメイデン」では、ローゼンの作った人形5体に加えて、最後の人形だという6体目薔薇水晶という人形が現れる。彼女は、「アリスゲーム」という戦いを放棄した真紅たちに、「それはお父様の意思に背いている」とし、…

 デジタルアニメーションの現在形

日本アニメーション学会 シンポジウム 報告 「デジタルアニメーションの現在形」 桑沢デザイン研究所【渋谷】で開かれた、日本アニメーション学会主催のこのシンポジウム、会場はクリエーターを目指す学生さんが多く訪れていました。プロのアニメーターさん…

 「ローゼンメイデン」とガイノイド

「ローゼンメイデン」とガイノイドアニメ作品「ローゼンメイデン」を取り上げたいと思う。ローゼンメイデン 1 [DVD]出版社/メーカー: TBS発売日: 2004/12/01メディア: DVD クリック: 28回この商品を含むブログ (80件) を見る「ローゼンメイデン」は第二期ま…

存在論ー人間、魂、精神と鋼の錬金術師

アニメ「鋼の錬金術師」(略して「はがれん」)は、同名マンガ原作のアニメ版で2003−4年に放映された。原作はまだ連載中であるが、アニメでは途中主人公のエルリック兄弟の幼少から15歳くらいまでの出来事が描かれている。一世を風靡したこのアニメ(…

 フェミニスト・テレビ学 その2

テレビ学とフェミニズム 2前回は、T.モドレスキーについて触れました。昼メロは女性視聴者に向けに作られました。当然、視聴者は女性とみなされ、想定された女性の主体(これも難しい言葉ですが、「自分自身の意思をもって動く人の精神」くらいの意味で考え…

 フェミニスト・テレビ学 その1

テレビ学とフェミニズム前回まで、本当にざっと映画理論からテレビ学にいたる流れを追っていきつつ、その違いを少し解説しました。今日は実際、フェミニズムはテレビ学で、どのようなアプローチをしていたのか、を見てみましょう。1960年代初頭(50年代後半…

 フェミニスト映画理論の援用 その4

フェミニスト映画理論からテレビ学へCCCSでのテレビへの取り組みで、初期に見られたのは、ニュースと視聴者の研究だった。ここで重要になってくるのは、ずばり「視聴者」である。視聴者は、英語では「オーディエンス(または複数形audiences)」や「ヴューア…

 フェミニスト映画理論の援用 その3

非常に端折ってきてしまったが、英国のテレビ学は、何の前触れもなく生まれたわけではもちろんない。映画研究者が、テレビも研究するという流れはもちろんあり、また社会学の分野からテレビ研究へという流れももちろんある。ここでは、英国のテレビ学の特徴…

【講演・トーク】 デジタルアニメーションについての講演 【予告】

【講演のご紹介】 会員以外でも参加自由。興味のある方は、参加申し込み(無料)のメールを出そう!::::::::::::::::::::::::日本アニメーション学会主催シンポジウム デジタルアニメーションの現在形デジタル技術が高度化・多様化…

 フェミニスト映画理論の援用 その2

ローラ・マルヴィーが問題にしたのは、映画テキスト内に内包されたスペクテイターであり、実際映画を観ている観客自体を示しているのではない。したがって、後述する実際の観客・視聴者の英訳である、オーディエンスやヴューアーと区別するために、スペクテイ…

 フェミニスト映画理論の援用 その1 

アニメーションをテキストとして、文学的方法をとって分析する仕方は、映画理論でも同様だ。ここでは、まず、フェミニズムの見地から、映画理論からテレビ学への流れをざっと追って行きたい。映画が誕生した瞬間から、被写体としてのモノ、動物、人などのさ…

 アニメーションを研究するには?

アニメーション作品を研究したいけれども、どうやっていいかわからない、という意見をよく聞く。ここでは、大学生、大学院生など、学術的にアニメーションを研究したいという人向きに、方法論をご紹介していきたい。以前にも触れたように、アニメーションを…